「写ルンです」は何故エモいのか。魅力を説明します

カメラ

「写ルンです」はエモい

皆さん「写ルンです」は知っていますよね。使い捨てカメラ*1の代名詞とも言えるカメラです。そんな「写ルンです」ですが、最近はデジタルカメラやスマホカメラの台頭ですっかり見なくなりました。

しかし! 「写ルンです」は一周回ってエモい写真が撮れるということで写真好きな人や女子高校生の間でブームになっているのです。私も写真が好きなので写ルンですは時々使います。今回はなぜ「写ルンです」でエモい写真が撮れるのかを見ていきます。

写ルンですがエモい理由

フィルム写真

まず、「写ルンです」はフィルムカメラであるという理由があります。ちなみに、フィルムカメラも写真が好きな人達の間で流行っています。このデジタル時代になぜフィルムが流行るのか。

それはフィルムの独特の雰囲気に魅せられるからです。フィルム写真、特にネガフィルムを用いた写真には独特の色合いがあり、それがエモさとなっています。もちろんデジタルカメラやスマホで撮った写真のほうが色が綺麗でコントラストが高くてシャープな写真になりまずが、綺麗すぎてつまらないんですよね。それに対してフィルム写真は色被りなどが発生してしまうので、どうしてもフィルム特有の色になります。これがエモさを醸し出しています。
フィルムの色

チープだけど考え抜かれたレンズ

次の理由は「写ルンです」に使用されているレンズがとてもチープなものであるという点です。写ルンですのレンズの仕様は以下のようになっています。

レンズ : f=32mm F=10 プラスチックレンズ1枚

一般的なデジカメは複数のガラスレンズを組み合わせることで高品質な写真を得ています。それに対し「写ルンです」ではプラスチックレンズ1枚しかありません。こんなのでは高品質な写真なんて撮れるはずありませんが、そこがまたエモいポイントになっています。先程も述べたように今のデジカメで撮れる写真は綺麗すぎます。でも「写ルンです」だといい感じに画質が削ぎ落とされて少しチープな写真になります。このデジタル時代にあえてチープな写真を撮ることで非常にエモくなるのです。

それに加え、レンズの焦点距離f=32mmとなっています。スマホのカメラはf=28mm程度なので、写ルンですはスマホより画角が狭くなっています。写る範囲が狭いと不便かもしれませんが、それゆえ写したいものだけが写ります。なので更にエモくなるのです。
考え抜かれたレンズ

チープなフラッシュ

「写ルンです」にはコンパクトなフラッシュが搭載されています。一般的なデジカメのフラッシュに比べると性能は良くないですが、必要十分な機能になっています。例えば暗いところで写ルンですのフラッシュを使うと、近くのものだけにフラッシュが当たり、遠くのものには届きません。ゆえに近くのものだけが浮かび上がりエモい写真となります。
フラッシュ特有の表現

27枚撮りの制限

「写ルンです」はフィルムカメラです。それゆえ一個の写ルンですで撮れるのは27枚まで、失敗しても消すことはできません。それに対しデジカメやスマホではメモリーの許す限り撮ることができ、ミス写真はすぐ消せます。これだけ聞くとデジカメやスマホのほうが圧倒的に便利ですが、便利すぎるがゆえに一枚の写真に対する愛着が失われています。

「写ルンです」を使うと27枚までしか撮れないかつ失敗も許されないので、写真を撮る場面を考えるようになります。今まではスマホで連射していた場面でも、じっくりと一枚だけ撮るしかありません。不便ですが、その不便さゆえに写真に愛着が湧き、エモくなるのです。
27枚撮りのうちの1枚

手軽さと面倒さのバランス

何度もいうように「写ルンです」はフィルムカメラです。なので撮ったその場で確認することは出来ず、27枚使い切ってから現像に出す必要があります。現像するにも一本あたり1000円くらい*2お金がかかります。撮影→現像の手順はデジカメに慣れ親しんだ人には面倒に感じます。

一方で他のフィルムカメラと違い「写ルンです」 では光量に合わせた絞りやシャッタースピードの設定をする必要が一切ありません。フィルムを巻いてシャッターを押す。これだけで写真が撮れるのです。フィルムを巻くという操作が入るだけで、ほぼデジカメと同じように撮影できます。

このようにフィルムカメラらしい面倒さと、デジカメのような手軽さが合わさっているのが「写ルンです」なのです。デジカメよりは面倒だけど、本家フィルムカメラほど面倒ではない。これがエモさを生み出します。
海辺で撮った何気ない1枚

「写ルンです」で撮れる写真はエモい

色々書きましたが、「写ルンです」で撮ると何でもエモく感じます。学校や会社に向かう毎日の路を「写ルンです」を持って歩いてみませんか? きっと見慣れた景色を写してもエモい写真が生まれるはずです。

鶴見駅 線路

*1:実際は使い捨てせずにリサイクルしています

*2:現像代+データ化or印刷代

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